錫杖岳、前衛フェース左方カンテ
外岩に登らなくなって久しいが、秋の連休を控えた9月15日~17日、錫杖岳に誘われ、出かけることになった。メンバーは、昨年小川山烏帽子左岩稜に一緒に出かけたY氏、I 氏、S氏と小生の4名(平均年齢66歳+)の自称盛年グループ。
計画は麓の旅館に2泊し、初日は偵察と準備、2日目に4人全員で左方カンテ登攀、3日目はS氏と小生が2人で錫杖岳登山というもの(小生、初日の夕方に現地到着の為、偵察は他の仲間が実施した)。
ここ最近、クライミングに時間がかかり、帰路ヘッドランプのお世話になることが多い為、今回は5時に宿を出、フォーメイションも2組釣瓶ではなく、カルガモの引越しの様にS氏が先頭で引っ張り、その後を前期高齢者3名が2-1で続行することになった。高齢者介護ヘルパー方式とでも命名するか・・。この山はボルト等のプロテクションが外されているとの事で、小生は当初参加を辞退し、腰が引けていた為か2番手を拝命した。ロープは4本、カムは先頭が全て持参し、先頭の荷は2番が持った。宿を出たのは5時丁度、7時半過ぎに取り付きに到着。登攀開始が8時過ぎ、6ピッチ目に全員到着13時半。先行パーティーの降下を待って懸垂下降終了が15時過ぎ。宿には17時少し過ぎに到着。その後雨が降りだした。I氏は仕事の関係上即日帰宅。残った3人は翌日の登山を諦め、ゆっくり温泉に浸かって翌朝家路に着いた。(小生は蚋に顔中を刺され、お岩さん状態。登山どころではなかったのが実態であった。)
今回登った錫杖岳前衛峰(中央)、左奥は2日目の予定を諦めた錫杖岳本峰。
2泊した槍見舘。豪華な食事に豊富な温泉で、今年一番の贅沢暮らし。
クリヤ谷を渡渉し錫杖沢分岐が近づくと前衛フェースが姿を現す。
再びクリヤ谷を渡渉し、錫杖沢へ向かう。
錫杖沢左岸沿いに登り、右手に進み岩場への路へ入る。
岩場の基部へ到着。1本手前の踏み跡に入った為、岩壁基部をトラバース。
1ピッチ目のルンゼ。先行の若者2人組に続いてS氏が気合いを入れて出発。
2ピッチ目のルンゼ。傾斜が強くなった溝をピナクル目指して登る。
三本槍、大木場ノ辻方面の眺め。(2ピッチ終了点のピナクル下)
3ピッチの薄かぶりハングを越える。トップじゃなくても十分に緊張。(S氏提供)
最初の山場(3ピッチ)を越え、ホッと一息。4番手のロープを引き上げる(S氏提供)
穂高連峰の眺め(ピナクルからかぶったフェイスを登った3ピッチ終了点)
右隣は垂直に近い綺麗なフェイス。西穂高以外は雲に隠れてしまった。
4ピッチ目のチムニーにロープが伸びる。霧が湧き出し時々岩肌を隠す。
チムニーと狭いガリーを抜けると4ピッチ終了点の広いテラス(S氏提供)
チムニーを抜けた4ピッチ終了点では可憐な松虫草が迎えてくれた。
5ピッチ目のフェイス。出発地点右に古いハーケン。この位置に小さいカムをセット。
5ピッチ終了点からの錫杖本峰。すぐ横に注文の多い料理店が上がって来ている。
6ピッチ終了点で登攀を終了。狭いテラスに隣の3人と合わせ7人集合。
懸垂下降1回目の終了点は注文の4ピッチテラス。
3回目の懸垂下降で北沢へ。
クライミングシュウズのまま左方カンテ取り付きへ戻り、荷を纏め藪道を下る。
明るい内にクリヤ谷を渡って一安心。疲れた足を引きずって宿へ戻る(S氏提供)