笛吹川源流、鶏冠山を訪ねる

笛吹川東沢への入口には、従来立入禁止と書かれ、縄が厳重に張ってあった。然し、先々週、山ノ神と西沢渓谷を散策した際、鶏冠山の標識が立てられ、どうぞと云わんばかりに道が開かれているのを発見。
長野へ行こうと思っていた矢先にダブル台風に見舞われ、計画中止。18号が通過し、17号が来る前の束の間の晴天を狙って、未だ登っていない鶏冠山に出かけることにした。岩場嫌い超コワガリータの山ノ神は家でお留守番。
老眼で普通の地図が良く見えない私は、5万の地形図を部分拡大して2万5千に直して使っている。インターネットを使って調べてみると3つの鶏冠山があることを知り当惑した。古い奥秩父の山渓ガイドにもコース案内は無いが、内装の地図に2100m等高線の峰(2つの南側)を鶏冠山と記述している(これが2115m峰か)
ウイキペディアでは鶏冠山2177mとある。また現地の山梨100名山では標高2020m等高線の岩峰(第3岩峰)を山頂にしているようだ。
まあ、何でもいいから行ける所まで行くことにした。最近岩場に鎖が付き、難峰が、やや軟峰になったとの面白い記述もあったが、取敢えず補助ロープ20m、懸垂下降用のスリング4本、エイト環、安全ベルト、ヌンチャク数本等を携行した(ヘルメットは無し)。
●場  所:奥秩父・鶏冠山
●時  期:平成24年9月29日(土)
●同行者:単独
●時  程:広瀬駐車場 0615、二股吊橋 0645、鶏冠谷出合 0700-0710、
    小尾根の鞍部 0810-0820、チンネのコル 0845、第1岩峰 0910、第2岩峰 0920-0930、
    第3岩峰(山梨100名山) 0955-1010、鶏冠山 1035-1050、第3岩峰分岐 1105、
    第2岩峰 1125-1135、チンネのコル 1200、小尾根の鞍部 1220-1230、
    鶏冠谷出合 1305-1320、広瀬駐車場 1405、
自宅を出たのは4時15分。星空が美しく今日は大丈夫そう。普段30分かかる高速に10分で乗ってしまった。途中、相模湖周辺で薄い霧が出ていたが、霧は好天の兆候。概ね6時に登山口へ到着。無料駐車場手前の道の駅近くで今日一番の鶏冠山を眺める。(駐車場には多くの車があり、登山者が続々と登って行ったが、殆どが甲武信岳だったようだ)
朝日を浴びる鶏冠山
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東沢右岸の危なげな道を行くと鶏冠谷出合に出た。今日は水が少なく何とか靴のまま渡り、そこで小休止。釜ノ沢遡行の2人連れと挨拶し、鶏冠谷へ入る。入ると直ぐ急斜面を左上し尾根道へ。急だが確りした道が延びていた。標識は異常に多い。
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出合から1時間、休みたい頃に小尾根の鞍部があり絶好の休憩点。裏手は一寸した展望台で、大菩薩(写真)や飛龍~破風までの山が見渡せた。(自然ベンチもある)
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岩場の下を西上し、着いた鞍部がチンネのコル。コルから尾根を北上し現れたのが最初の鎖場。
(上から撮影)間もなく第1岩峰(1986m)で、東側に巻道があるのは帰路に気がついた。
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鎖場の上からは広瀬方面が手に取る様に見える。二俣吊橋は東沢の大堰堤とほぼ重なって、写真では見分けにくい。
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第1岩峰で休もうとしたが、羽蟻が大発生しており、直ちに退散。第2岩峰へ向かう。山梨百名山頂上の第3岩峰が目の前に聳える。第2岩峰手前にも鎖場があるが、懸垂下降用の支点と思われるスリングもあった。(この山の鎖は新しく、支点もケミカルボルトらしいものを使っていたが、それを繋いでいるのが古い錆びた針金であったのには驚いた。鎖に頼らなければ登れない登山者は相当大きなリスクを負う覚悟で登るか、その場で登山を諦めた方が良いのではないだろうか)。この山が難しい山であることについては、何ら変わっていないと思う。
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休憩した第2岩峰?から黒金山を眺める。前景は羽蟻に占拠された第1岩峰。
 
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第3岩峰で記念撮影。背後の国師岳が大きい。(自動シャッター使用)
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鶏冠山(2115m)には、第3岩峰から25分で到着。石楠花の藪で何回か帽子を取られた。ウイキペデイァ山頂及び木賊山にも未練があったが、明日は台風、夕方の渋滞も気にかかり、爺はサッサと退散することにした。
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下りも登りと同じところで休憩。折角持って来た民芸草鞋も濡らすことなく仕舞い込んでしまった。3時半起きで居眠り運転しない様、気をつけて帰ろう。(然し、この川の中の石がもう少し深く水中に入っていたら草鞋は活躍の場があったのに)
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家に帰り、写真が出来てから地図とにらめっこをして何処を歩いたか再検討。地点を評定した後、黄色の薄い線が概ね歩いたコースと判断した。(写真は出発時駐車場上の茶店付近から撮ったもの)
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