南ア・鋸岳・平成21年(2)

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(その1から続き)鹿窓からルンゼに下る鎖は30m以上あろうか。途中上部2箇所で固定されている他は下がりっ放し。複数の者が同時に使うと振られて危険である。今日は人影が全くなく安心。鎖の途中に懸垂支点用?のスリングがあったが、ロープは出さず鎖を利用した。(ロープを抜く際、落石が起きやすいが、鎖でも拳大の石が落ちてきた。)鎖の残りが5m位の辺りから南西側への明瞭な巻道があり、くの字に折れて再びルンゼの直下に戻る。巻道の途中から中岳トラバース道らしき踏み跡が見えたが、入口が崩れて悪い。ルンゼを真っ直ぐ下る踏み跡もあったが、トラバース道へ入る。灌木の道は高度感があるが松虫草も咲き、良い感じ。ピンチは半分過ぎた頃来た。上の崖が崩壊、幅50cm程度の踏み跡上に瓦礫が溜まり、ホールドになる岩も外側に剥がれている。手前の灌木に捕まり次の灌木までの2歩。騙し騙し難所を通過した。出た所は大ギャップ直下のガレルンゼ。然し全く踏み跡が無い急峻なガレ。横向きになり4本の手足で瓦礫を押さえ慎重に下る。草付の古い踏み跡に辿り着くと、下方のガレから樹林の尾根に伸びる明瞭な巻道が見えた。第2高点への樹林帯の道から先程通過した踏跡を観たが、入ってはならない危険なトレースであったと事を実感した(逆コースではありえない間違い)。第2高点までは樹林の快適な登り。今日は第1高点から1時間10分で来られたが、複数パーティーが通過する場合、落石の危険回避、通過待ち等で相当の時間が掛かることは否めない。山頂で少しゆっくりし誰もいない山稜を眺める。後は下るだけだが戸台までの長い河原歩きも待っている。11時過ぎ山頂を後にし急なガレ道を中ノ川乗越へ下る。中ノ川乗越の先には広大なガレが待ち構えていた。幅は角兵衛沢の3倍位あるだろうか。おまけにガレが長い。やっと樹林に入ったかと思うと再び大きなガレにぶつかり、見上げると大ギャップに続いていた。再び樹林帯に入り、水音が聞こえると熊穴沢出合にぶつかった。出合から右岸を辿り宿営場所までは10分足らず。途中、中間付近に水場となりそうな流水を発見。冷たい水を腹いっぱい飲んだ。
宿営場所は静寂そのもの。大休止の後、テントをたたみ出発準備を整えている所へ朝方出会った大岩のグループが下りてきたた。挨拶を交わし写真を依頼、その後、先行させてもらった。荷物は往路と殆ど変わらない重さであったが、気分的には随分軽くなっていた。戸台に着いたのは16時半過ぎ。仙流荘の露天風呂で鋸岳のシルエットを見ながら、今日の思いに耽るとともに、後段の小河内岳に思いを巡らした。(前段終わり)