南ア・鋸岳・平成21年(1)

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 自分だけの秋合宿、前段は南ア最北端の岩峰・鋸岳に行った。初日、戸台から河原沿いの道を歩いて角兵衛沢出合に宿営。2日目、角兵衛沢コルから第1高点、第2高点に登り、熊穴沢を下り一周し下山と云うコースである。テント泊で久々の大荷物。更に念を入れてヘルメット、ハーネス、45m・9mmロープ等の重装備となった。全般の天気予報は良好であり、当初14日入山予定であったが、岩稜通過予定日・15日の予報が悪かった為、核心部での好天を期待して出発を15日に延期した。

 ●場 所:南ア・鋸岳
 ●時 期:平成21年9月15日(火)~16日(水)
 ●同行者:単独
 ●時 程:
 【第1日】戸台1320、角兵衛沢出合1520(周辺偵察後、宿営)
 【第2日】角兵衛沢出合0515、大岩下水場0710-0725、角兵衛コル0900、
    第1高点0920-0940、第2高点1050-1120、中ノ川乗越1140、
    熊穴沢出合1335、角兵衛沢出合1345-1445(撤収)、戸台1635

【第1日】待機していた茅野の小屋を出たのが10時過ぎ、国道152号線を走り、登山口・戸台に着いたのは12時40分。河原に4台の車が置かれていたが人影は無い。河原沿いの道を歩き始めるとピンクの花が癒してくれる。天気の悪化は思ったほどではないが、稜線は雲に覆われて見えない。最初の堰堤横に動くものを発見。猿であった。近づくと堰堤上の河原は猿だらけ。猿にとって今日の私は巨大な生き物に映っているかもしれない。お互いに距離を置き、無視して通過。道は右岸に続いているが、何かの記録に左岸へ渡ると書いてあった様な記憶が蘇る。大きなダム手前の左岸岩場に立派な道があり、対岸にピンクテープも発見。これはと云う所で川を渡り、ダムまで行くと袋小路。管理小屋への道であった。戻るのも癪なのでダムの上を渡り右岸へ。ここからは道が無く、河原に中を適当に歩く。左岸に赤テープを発見した後は順調に角兵衛沢出合に導いてくれた。宿営は対岸(右岸)の疎林の中。ここは角兵衛沢コルへの入口だ。テントを張った後、角兵衛沢の下部と熊穴沢出合付近を偵察。誰もいない河原は沢音だけが不気味に響き、18時頃には早々と就寝した。
【第2日】4時出発?と、曖昧に考えていたが、青鳩の悲しげな声に起こされたのは4時20分。外は未だ真っ暗。ロープ、ハーネスを入れるとアタックザックはパンパン。ヘッドランプを付け出発した頃、ようやく白み始めてきた。樹林の中を登ること約2時間。正面に大きな岩壁が現れ、その下に水場が。テントが2張残されている。ここからがガレが遥か上に続いている、只管登るしかない。右手の岩場に咲くタカネビランジが美しく、せめてもの救い。稜線には陽が当りだしたが、沢筋は影になり涼しい。やがてコルに到着。ここからは灌木の中の快適な登りだ。右手崖下に登ってきた角兵衛沢が見下ろせる。仙丈岳も立派だ。第1高点直下で6人組と遭遇。大岩下のテントのグループとの事であった。第1高点は鋸岳の最高点。展望は素晴らしく、甲斐駒や北岳・間ノ岳が大きい。然し、焦点は直ぐ目の前にはだかる第2高点への縦走路。小休止の後、小ギャップに下る。ここには立派な鎖が懸かっていた。西側はほぼ垂直で、手掛かりはあるが岩が脆く、鎖が無ければ懸垂下降必至であろう。時間短縮の為ロープは使わず鎖を頼ったが、一部の足場は足を乗せると動いた。東側は急斜面で念の為ロープがあると云う感じ。小ギャップを過ぎ、岩場を越え、甲州側を巻くとポッカリと開いた穴・鹿窓があった。ここにも立派な鎖。(この後どうなるか、その2へ続く)