紅葉の南ア・深南部、大無間山(1)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

大無間山は標高2329m。それ程高い山ではない。然し、登山口との標高差1650m+途中の起伏を含めると累積標高差2400mのハードな山である。日が長い夏場、軽装で日帰り往復案も考えたが、遂に秋になってしまい、オーソドックスな小屋泊まり2日案に落ち着いた。今回は単独行、シュラフ(カバー含む)マット等の小屋泊まり装備一式、ツェルト、軽アイゼン等を携行したが、避難小屋満杯と云う有り得ない状況も考慮し、車にテント一式も潜ませた。水は最低限の3L(うち1割:般若湯)。

 ●場 所:南アルプス深南部・大無間山
 ●時 期:平成22年10月26(火)~27日(水)
 ●同行者:単独
 ●時 程:
 【第1日】田代中 1100、雷段 1155-1205、1400m峰 1255-1305、
     小無間小屋 1400
 【第2日】小無間小屋 0600、小無間山 0740、唐松沢の頭 0755-0805、
     中無間山 0825、大無間山 0915-0940、唐松沢の頭 1040-1055、
     小無間山 1105、小無間小屋 1235(パッキング、後片付け)、
     小無間小屋 1300、雷段 1400-1410、田代中 1440

【第1日・10月26日】東京の朝は雨空であったが、西へ進むにつれ天気は回復し、静岡では青空も顔を出した。富士見峠を通る県道が心配であったが、通行止め等は無く、順調に井川ダムに到着。車を置いて諏訪神社の鳥居から出発した。紅葉は未だ殆ど始まっていないが杉の木に絡まった蔦漆だけが一足早い秋を演出している。蔦漆は美しく、観れば極楽触れば地獄と云う強烈な蔓草なので要注意。杉林の中の登山路は一旦送電線を横切り、再び杉林の中をゆっくりと登る。尾根の合流点、雷段で小休止。その後も樹相が自然林に変わるが傾斜は緩やかで、ゆっくりと高度を稼ぐ。1400m峰は休憩適地。休んでいると警戒音らしい鳴き声を発して栗鼠が目の前の巨木に出現。写真に収めようとしたが逃げられてしまった。道が少し険しくなり左から大きな尾根が合流するとP4は間も無くだ。頂上のすぐ北側に青いトタンで覆われた避難小屋が現れた。未だ午後2時であるが、夕食と寝る段取りを整えてから外で時間をつぶした。大無間山から風イラズへの西側の稜線は開豁し良く見えるが、その他の正面は深い樹林に覆われ視界が利かない。然し良く観ると樹間越しに高い山が見え隠れしている。P3との鞍部までカメラを持って散歩に出かけたが良い展望点は無い。仕方なく枯れ木に攀じ登って樹の隙間から撮影した。それが掲載した悪沢や赤石の写真である。明日の予報は好天。山頂近くからの大展望を期待しつつ、寒くなったので小屋へと戻った。今日は誰も来そうにない。夕日が落ちるとともに夕食。カップラーメンとおにぎりと云うメニュウは昼と全く同じになってしまった。酒の肴は鮭の燻製とナッツ。小さなローソクの火が小屋の中をユラユラと照らす。やはり一人は寂しいものだ。灯りを消して寝袋に潜り込んだのは17時半。目が覚めたのは21時半だった。外では風の音。トントンと屋根を叩く『屋根叩き』や玉をコロコロ転がす『玉転がし』等、水木しげるの妖怪の世界を思いつつウトウトし、また眠ってしまった。(続く)